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【社長対談vol.05/JIMOTO】未来の「地域づくり」を考える(第2章)

 

ユーメディア/平成30年度仙台「四方よし」企業大賞 優秀賞を受賞

 

渡部社長/正直、印刷業界って、いわゆる「ブラック」と言われるようなイメージがあったんです。でもユーメディアさんは、社員が働きやすい環境をしっかりと整えて、「プラチナくるみん」を取得され、仙台「四方よし」企業大賞も受賞されているじゃないですか。本当にすごいと思います。

今野/印刷業は、いわゆる製造業ですから、元々は設備投資先行型の企業経営だったんですよ。昔は時代的にも、「夜中にご入稿いただいて、すぐに印刷して朝届けます」みたいな話が当たり前で、社員の健康は二の次になっていました。でも、そういう仕事で利益が上がるのかといわれると、決してそうではない。

そこで、現会長が社長時代に、「社員の身体を一番に考え、利益が上がらない仕事はやらない」という価値観を、バーンと打ち出したんです。一部の社員からは、売上げが下がるんじゃないかという不安の声も上がりました。でも、無理な仕事にかけていた労力をより付加価値の高い仕事に向けることで、会社はまだまだ成長できることがわかると、社員も理解してくれるようになりました。ただ定時で帰るためではなく、お客様や地域にお役立ちできるクオリティの高い仕事をするために、働き方を見直したんです。

渡部社長/弊社でも、先代の頃から残業時間の多さが大きな課題でした。そこで今、社員からヒアリングしながら改善を進めていて、少しずつ成果が出てきています。とはいっても、今野社長がおっしゃったように、ただ残業時間を減らしたいわけではなく、今の仕事をもっと効率的に回したいと考えているんです。

業務を効率的に進めることで、アイデアや発想を生む時間を作り、会社の事業や業界の裾野を広げたいなと。そのために、各部署の仕事を、やるべき仕事とやらなくていい仕事に分けたんです。

今野/具体的にはどういう取組みなんですか?

渡部社長/まず、部署ごとに担当業務の棚卸をしてみたんです。すると、部署間で重複する作業があったり、事務作業に追われていたりという状況が見えてきました。また、例えば、6人いる部署の仕事量が6.3人分だとすると、0.3人分が人手不足だからといって人を増やすと、逆に人員過剰になってしまうんです。だから私たちは、各部署の“小数点以下の作業”をひとつの部署にまとめてしまおうと考えました。

そして昨年、各部署の事務作業を一手に担う部署を立ち上げました。しかもその部署は正社員採用にこだわらず、パート採用を増やしたんです。私はこれまで、正規雇用をうむことが企業としての責任だと思っていました。しかし、社会の中には、フルタイムではなかなか働けない方がたくさんいることに気づいたんです。

例えば、子育て中の女性の方たちもそうですよね。だから、地域の雇用を生み出すためには、パートタイムの仕事をどんどん作ったらいいんじゃないかと。結果的にこの部署は女性21名の部署となっています。時間に制約のある方たちは、いかに生産性を上げるかを常に考えているので、作業効率がとてもいいんです。だから、この部署をロールモデルとして、社内全体に「時間は有限だ」という意識を浸透させていきたいですね。

 

山一地所/各部署の事務作業を一手に担う女性だけの新部署

 

今野/なるほど。とても面白い取組みですね。正社員から業務を切り出せるようになると、パートタイマーだけでなく、障がい者雇用にもつながり、国が目指すところに近づくと思うのですが、それについてはどうお考えですか?

渡部社長/私は、「人件費が安いから」という視点では採用したくないんです。同一労働同一賃金が理想だなと。だから、障がい者や高齢者であっても、やりがいをもって働ける風土を創造していくことが大事だと思います。

今野/お話を聞いて、組織作りがお上手なんだなと感じました。勉強になります。「人材育成」という視点では、どのような取組みをされていますか?

渡部社長/「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり」という言葉がありますが、私は、企業にとって社員はひとつの財産だと思っているので、人間教育には特に力を入れています。「人としてどうあるべきか」を考える機会を、多く作るようにしていますね。

例えば、内定式や入社式で、親への感謝を示す場面を設けたり、4~5月の間を「親孝行月間」に指定して、自分が親孝行した内容をレポートとして提出させたりしています。「やったこと」だけではなく、「どのように考えてそうしたのか」という過程を大切にしたいですし、親を大切にする気持ちを育んでいこうと。親や家族の支えがあってこそ仕事ができているわけですからね。社員だけでなく、その家族も大切にしていきたいです。

今野/そのような教育の成果もあって、御社が運営するアパマンショップ泉中央店さんが「10年連続契約件数1位※」に輝く素晴らしい実績につながっているんでしょうね。

渡部社長/そう言っていただけてうれしいです。1位になるまでにはいろんなことがあったんですが、人として当たり前のことや、お客様のためにできることを徹底してやり続けることが、業績や成績を上げる秘訣だと思っています。

そのためにも、社員全員で「人間力」を磨き続けなきゃなと。仕事に必要な専門知識や技術は、本を読んで勉強すれば習得できますが、人間力はそう簡単に身に付けられるものではありません。地域に必要とされる企業になるためにも、人間教育に力を入れるべきだと感じています。

今野/それを愚直にひとつずつやっていくということですね。素晴らしい考え方だと思います。

 

※全国に1,000店舗以上あるアパマンショップの中で、山一地所が経営するアパマンショップ泉中央店は、10年連続契約件数1位を獲得している。

 

 

関連サイト

◎株式会社山一地所 ホームページ

Credit

Creative Director & Designer/ 田向 健一
Interviewer & Writer / 澤田 朱里

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