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【2018年03月特集】宮城を“もっと”元気にするために ―「観光開発」への挑戦―

ユーメディアの事業テーマのひとつが、観光振興です。

その取り組みをさらに発展させるべく、観光開発をミッションとした新チームが発足。メンバーの中の3人に、その想いや今後の展望について伺いました。

【取材対象者】
・メディア事業部 部長 佐々木 和之
・メディア事業部 メディア開発チーム 課長代理 佐藤 広美
・メディア事業部 メディア開発チーム 副長 伊東 幹也

 


観光振興の専門チームを編成し、
地域との関わりをより深く。

佐々木/地方の人口減少をいかに食い止めるか、地方が生き残るにはどうしたらいいか。その戦略のひとつとして、観光振興が脚光を浴びるようになってきました。特に東北は震災時に多くを失い、自分たちで地域を盛り上げていかなければ先がないと、本当に危機感を持ちました。
さらに、国の施策として地方創生が叫ばれる中、観光を活性化して交流人口を増やそうという動きが出てきました。もともとユーメディアでは、もう何十年と、メイン事業のひとつとして地域の観光振興に関わる仕事を行ってきました。
また同時に、地域情報誌『せんだいタウン情報S-style』『Kappo 仙台闊歩』の発行やコミュニティサイト『せんだいタウン情報 machico(以下、machico)』などの運営を通して、地域の情報を集積・発信してきた会社です。その情報やノウハウを生かして、観光振興に主体的に取り組めないだろうか、そんな思いから、観光事業開発が始まりました。
その開発チームのメンバーが、私のほか、当社における地方自治体案件の草分け的存在でもある佐藤さん、そして宮城県を中心に観光や文化など幅広い領域の仕事を担当してきた伊東くんです。

佐藤/当社はもともと印刷会社からスタートしていることもあって、私が入社した約20年前は自治体の観光ガイドブックの制作に多く携わっていました。当時の紙媒体は非常に付加価値の高いものでしたが、作ってしまえば終了で、作ることが目的になっていたように思います。
宮城県には素晴らしい観光資源がたくさんあるのに、結局は仙台だけに賑わいが一極集中してしまい、もったいないと思っていたんです。
もっと地域に対して深く関われる仕事はないのかと、ずっと考えていました。年月を経て、当社には紙媒体だけではなく、映像やインターネット、イベントなど、あらゆるメディアが揃いました。
それを地域活性化のためにいろんな形で組み合わせ、プランニングをして、お客様に提案するチャンスが巡ってきたんです。さらにひとつのチームとしてまとまったことによって、地域活性化のプロデュースがユーメディアの営業モデルのスタンダードになればいいなと思っています。

佐々木/観光パンフレットの受注から地方自治体とお付き合いが始まることが多いですが、世の中はもう観光パンフレットからひとつ上のステージに進んでいるんですよね。町に賑わいをつくるとか、そのためにどうするかというところが大切で。

伊東/これまでの“モノ”を作るだけというところから、何か“コト”を起こさなくてはいけない時代に入りましたよね。ものづくりやイベント企画などを通して、その地域にどう還元していくか。市町村の方にとっては死活問題でもあるので、必死に考えていらっしゃる方々に対して、自分も一生懸命に向き合いたいと思っています。
これまでは営業個人としての取り組みが中心でしたが、これからは観光事業開発として会社単位で関われるので、とても心強いです。

佐々木/今までやってきた個々の本業を生かしつつ、みんなで共有すれば、倍以上の力が発揮できますから。急にポンと出てきた観光事業開発ではなく、ユーメディアが1960年の創業から積み上げてきた実績が、地域の課題を解決するステージに押し上げたのではないかと思います。

 


市町村との連携プロジェクト、
第一弾は「宮城県川崎町」。

佐々木/地域の課題を解決するには、その地域にとって本当に必要なターゲットを把握することが重要です。しかし紙のパンフレットを配布するだけでは、それを見た誰がどこに足を運んでいるかわからない。その町へ週末に何百人来たかというのはだいたいわかっても、性別も年齢も居住地もわかりません。
どんなお店に行き、何を食べたのか、その町で何をして帰ったかということも、わかるようにしたい。それを把握するための実証実験を、2017年から川崎町で始めました。
この実験では、当社が開発したスマートフォン向けアプリケーションを使用。川崎町のお店の情報などがアプリに載っていて、ユーザーがどんなふうに地域を回ったのかを把握することができます。このアプリを使用するためには『machico』への会員登録が必要です。そこから会員の属性データを収集することで、どんな人が地域でどんな行動をしたのかを解析できるんです。こうした主体的な情報の把握を基礎に、観光振興のプロモーション施策を立案し、地域の課題を解決するために活用していく。それがユーメディアの観光事業開発の仕組みです。

佐藤/この仕組みをまずどの市町村にご提案するか、社内での議論がありました。そこで私が真っ先に挙げたのが、川崎町でした。当社では2012年から川崎町の観光フリーマガジン『かわさきあそび』の制作のお手伝いをしていて、その制作を通じて町のニーズも把握していましたし、紙の情報発信からアプリでの実証実験に進むことで、成果が見えやすくなるのではと考えました。
また川崎町には温泉や宿泊施設もありますし、みちのく杜の湖畔公園もセントメリースキー場もあります。観光地としてのポテンシャルは高いのに、何が欠けているんだろう…。その答えを出すためにも、川崎町で実証実験を行いたかったんです。

 


イベントの賑わいを日常の賑わいへ。
どうつなげていくかが、今後の課題。

佐々木/川崎町では、これまでに3回のイベントを行いました。そのうち「ダム探検&コンクリートのひみつ!」と「人の暮らしをつなぐ『橋のひみつ』ツアー」(詳細はコラム参照)は、東北大学のインフラマネジメント研究センターと一緒に実施しました。インフラを観光資源として活用することで、どんな価値が生まれるのか。それがインフラマネジメントセンターの課題のひとつにあったので、当社のプログラムと連携しましょうということになったんです。
そのうえでダムと橋というインフラを利用して、普段は足を運べないようなところの見学と学びのプログラムを実現しました。その際も当社で作ったアプリを提供し、それを使いながら川崎町を回っていただきました。アプリではユーザーの位置情報だけでなく、人が集中している場所もわかるんですよ。プログラム後に1つだけ突出して人が集中した場所があるなと思ったら、コンビニエンスストアでした。この結果を先につなげるとしたら、たとえばそのコンビニで観光振興のブースを出しましょうとか、そこに観光のポスターを貼りましょうとか、そういう提案もいろいろとできるわけです。

佐藤/川崎町で「フォトロゲイン大会」(詳細はコラム参照)を開催した時は、川崎町長や地元の観光関係者が「いろんな可能性があるよね」と期待を膨らませていました。観光スポットを写真に撮りながら町を巡るイベントですが、観光だけでなく、スポーツや健康の振興と組み合わせることもできそうだと。ひいては、住民増加につながるかもしれないという発想も生まれていました。

伊東/そのイベントで、私もフォトロゲイニングを楽しんできました。会場で配布される地図を見ながらチェックポイントを回っていくのですが、ポイントが見つかると純粋にうれしく思いましたし、他の参加者の方々もとても楽しそうに町の中を歩いていましたね。観光客と町が接点を持てる、すごくいいイベントだなと感じました。

佐藤/ただイベントの時だけ町が賑わうのではなく、地域の方が日常的な賑わいを実感できたり、小さな成果でも大きな実感を得られたりすることが大切だと思うんです。その実感がなければ、町の賑わいを自分たちで継続していこうという動きに発展しませんから。これからは、その仕掛けも求められていくのでないかと思います。

佐々木/まずは当社がアイデアや方向性を示して、地域の方との関わりを増やしていく。その中で、地域の方がもっとこうしたいというものがあれば、我々も返していく。こうした関係づくりが、地域の主体的な観光振興につながっていくのだろうと思います。

 


専門性とチーム力を高め、
ユーメディアだからできる“観光開発”を。

佐々木/地域に日常の賑わいをもたらすためには、まずは仙台からの送客がカギ。県外から仙台には観光客が集まっているのに、宮城県内のその他の地域まで足を延ばす人は少ないですよね。その送客のための手法も、これから考えていこうと思っています。

佐藤/私の次の課題は、より深く地域の観光や活性化に関わることです。自分の関わった町の町のブランディング事業について外部機関からの評価を得ることも視野に入れています。こうした成果は自分の肥やしにもなりますし、なにより町の人たちの誇りになります。町へ還元されるようなブランディング事業に、一層力を注いでいきたいです。

伊東/私もお二人が言っていたように、お客さんと一緒に主体性を持って事業に取り組んでいきたいです。でもお客さんと深く関われば関わるほど、“お客さんごと”というよりも“自分ごと”になっていくんですよね。お客さんの熱量が大きければ大きいほど、それに応えたいと思ってしまって。仕事なので冷静に割り切ることも必要かもしれませんが、どれだけ地域に深く関われるか、深く入っていけるか、その姿勢が観光事業開発には大切なんだろうなと感じています。

佐藤/自分ごとになっちゃっても、いいと思うんですよね。それほど気持ちを込められる仕事ということだし、大きなやりがいにもつながるし。

佐々木/最近よく、仕事の属人化が批判的に語られますが、それの何が悪いのかなって思っていて。その人だからこそできる仕事、その人の個性ってあると思うんです。そういうスペシャリストが何人も集まれば、営業のスキルも専門性が上がって当然。「なんでもできます」というよりも、「これができるから、うちにやらせてください」という仕事のほうが、お客さんと深く関われます。

だから当社は、観光開発事業をチーム化したんです。そしてなにより、孤独に働いてはいけない。チームみんなで支え合いながら、進んでいく。ユーメディアは、それができる会社です。

 

【取材スタッフ】
・ディレクション : メディアプロモーション部クリエイティブチーム 主任 岩本 理恵
・撮影 : メディアプロモーション部クリエイティブチーム 主任 下山 浩
・TOPデザイン : メディアプロモーション部 クリエイティブチーム 阿部 奈穂

 

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