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【社長対談vol.06/JIMOTO】ポストコロナの地方中小企業の未来(第3章)

 

―地方中小企業の使命はどんなところにあると思いますか?

 

福田専務/先程も少しお話しましたが、「地方だからできないこと」はなくなってきていると思うので、そもそもの「地方」という考え方の枠組みを壊して、「仙台を中心に何でもできる」と思わせること、そして実際に行動することが必要だと感じています。
ひとつ、この地域の中小企業だからこそできることが、この地域で雇用を生むことだと思っています。首都圏に出てしまって地元に残らない若者が多いですが、それは非常にもったない。仙台・宮城が好きで、地域のために頑張りたい学生のために、働く場所を提供することは、中小企業としてまだまだできることだと思います。コロナの影響で、地方だからこそできることがあるとあらためて感じたことで、その思いはさらに強くなりました。
弊社がレストラン部門を中心に参画する【(仮称)アクアイグニス仙台】の件で、先日三重で現地のシェフと打合せをしてきたんですが、料理の世界も同じ状況なんです。仙台には調理系の学校がたくさんありますが、想いの強い学生ほど、東京や海外へ行ってしまうんですよ。アクアイグニスは、被災された地域のにぎわいを取り戻すことも大きな使命ですが、世界でも名の知れたシェフたちのレストランを仙台で展開するという部分では、上を目指したい若者にレベルアップの場を提供できると思っているんです。

 

(左)福田商会/地元の学生を積極的に採用し、若手活躍の場を創出
(右)ユーメディア/若手社員も主体的に地域活性化に取り組む

 

今野/「地方だからできない」という表現は、今後使われなくなるだろうなと私も感じますね。さらに思うのが、地域の特性をもっと磨いていくことがより必要になるということです。「首都圏と地方」という分け方をされがちですが、地域によって特性がありますよね。その「らしさ」を磨いていくことが必要ですし、それが地域の活力につながり、活力同士が結びつくと、イノベーションが生まれ、新たな事業、そして雇用につながると思うんです。一社単位で頑張るというよりは、地域全体が活力をもって取り組むためにはどうしたら良いかを考えて、自分たちの強みを活かしながら他社と連携することがこれからもっと増えていくだろうし、その連携に地方中小企業の使命があるのかなと思います。

 

福田専務/地域の特性を活かし、そこでまた地域の雇用を生むことは、中小企業としては本当に大事なことですし、それが総括的に地域の活性化にもつながりますよね。地域が活性化しないと、私たち地元企業は残っていけませんから。

 

今野/そのとおりです。まず地域が元気でないと、仕事が成り立たないですよね。
今後は、マーケティングからものづくり、それを実際に使って次のアクションを考えるという循環の一部を手伝うのではなくて、循環そのものの中枢を担う事業を展開していきたいと思っています。ただ、自社だけではできないことも当然出てきますし、自社で挑戦をしつつ、既にスペシャリストがいるところとは連携する姿勢でやっていこうと思っているんですよ。

 

福田専務/自社だけでできないことは他と連携しながらという話が出ましたが、どの地域でもプロフェッショナルはたくさんいらっしゃると思うんですよね。でも、たとえプロフェッショナルであっても、ひとりでできることには限界があるので、この時代に大事なのは、地域やそこにいる人材の力量を理解して、組み合わせて効果を発揮させる「コーディネーター」だと私は思っています。その役割を担う地域や企業、もしくは人が、世界や地域を変えることになると思います。ぜひそこを今野社長に担っていただきたいなと思っています。

 

今野/今言っていただいた方向性がまさに当社の目指している方向です。消滅都市とされているような地域も、探してみると良いものを持っていて、それを武器として磨き、繋げると「らしさ」が生まれてくるんです。そうすれば、後々インバウンドもそれを求めて観光に来る、なおかつそこでお金が落ちる仕組みと状況を作り上げていく。それを事業の中核として担っていきたいと思っています。そういう点で見ても、沿岸部に展開するアクアイグニス仙台は非常に興味深いですよね。

 

福田専務/アクアイグニス仙台は2022年4月オープン予定なので、あと1年半後…といいつつ、そろそろ建物の工事も本格化しはじめます。我々もシェフや支配人クラスの採用にそろそろ取り掛かろうとしているところです。もともと住んでらっしゃった方々も、あの土地のにぎわいをすごく楽しみにしていただいているので、その期待にお応えできるように頑張りたいですね。

 

今野/御社は建設・資材関係の事業もやっていらっしゃるから、それこそ「街をつくる」という考えも理念の中にあると思うんですが、弊社の旧工場跡地に建てる施設・INKSも六丁の目の交流拠点として整備する予定です。仙台市全体で考えても東部エリアや沿岸への拓かれ方というのはまだまだ開発途中ですよね。

 

福田専務/可能性はあると思います。特に、御社の工場は地下鉄からもすぐですし、南側の工業団地もいろいろと計画があるので、あの周辺一帯の街が変わっていくんだろうなと思います。新しい地域の拠点をきっかけに、ぜひ一緒に次の時代の仙台をつくっていきましょう。

(左)福田商会/さまざまな業態で、今後も多角的な地域貢献を展開
(右)ユーメディア/ものづくりの精神を守りながら、新たなステージへ

 

 

福田専務/今回対談のお話をいただいて、あらためてこれまでの事業を振り返り、今後の方針を見つめ直す良い機会になりました。実は、今野社長は高校時代の先輩でもあるんです。久しぶりに先輩とこのようにお話しできたことも嬉しかったですし、他の業界のお話を聞く中で気付かされることもたくさんありました。ぜひまた意見交換させていただきたいです。本日はありがとうございました。

 

今野/こちらこそ福田社長のお話を聞いて非常に勉強になりました。4月・5月はこの先どうなるか不安だったんですが、前向きで建設的なご意見を拝聴する機会を持てて良かったです。一次産業を礎にまちづくりを根幹から支える立場、メディアとして街の情報発信をしていく立場として、今後も深く関わっていきましょう。ありがとうございました。

 

 

 

株式会社福田商会様/関連サイト

ANAホリデイ・イン仙台

Credit

Creative Director & Designer/ 田向 健一
Interviewer & Writer / 上和野 佐恵

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