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【社長対談vol.08/JIMOTO】”ケーキ”と”印刷”から始まる新たな挑戦<2>

事業の拡がり

今野/印刷製造業から始まった弊社も、お客様のニーズと時代の変化に合わせて事業を拡大してきました。お客様の課題やご要望に合わせて、印刷だけでない新しいメディアやツールをうまく活用するうちに、それらが事業として成長してきたんですね。ただ、どの事業も地域の盛り上がりや発展がなければ成り立たないものです。東日本大震災を経験したことで、誰かがまちを元気にしてくれるのを待っていてはだめだと気付いたんです。それによって、弊社にとってのステークホルダーの幅も広がりました。

それからは、ステークホルダーの方々と対話しながらともに持続可能な地域社会の実現を目指す「サステナブル方針」を制定したり、より主体的に地域や社会課題の解決に取組むための「U-media Group Social Action」をスタートさせるなど、さまざまな動きを推進しています。

アルパジョンさんも、本業に加えて、再生可能エネルギーの発電事業に取組まれていますよね。なぜこの事業を始めることになったんですか?

 

益野社長/子供の頃に読んだある本がきっかけで、地球環境を守るために自分が何かしなければ、という使命感を持つようになりました。それから環境問題やエネルギーについていろいろと勉強するようになり、周りのご協力もあって会社の事業として取組むことになったんです。

 

今野/そうだったんですね。今はどんな取組みを進めていらっしゃるんですか?

 

益野社長/各店舗や事務所の屋根に太陽光パネルを取り付け、そこで使う電力はほぼ自家発電でまかなっています。それに加えて、いつもお世話になっている金融機関にご協力いただき、宮城県加美町内と大崎市内にメガソーラーを建設しました。現在、そこで発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買取制度※1を活用して売電していますが、将来的には小さな電力会社を作り、地域の方々にクリーンなエネルギーを提供できたらと考えています。

※1再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度

 

今野/かなり大規模な取組みですね。弊社でも印刷をする際に環境資源を多く使うので、もともと環境問題に対する意識は高い方と思っていたんですが、取組みとして形になっているものを洗い出してみるとまだまだ少ないんですよ。アルパジョンさんの事例を参考に、今後弊社でも強化していきたいテーマです。

 

太陽光パネルを活用した再生可能エネルギーの活用(アルパジョン)

太陽光パネルを活用した再生可能エネルギーの活用(アルパジョン)

 

益野社長/私たちはお客様に幸せな時間を届けしたいという思いでケーキ屋をやっていますが、人の幸せの基盤は地球環境にあります。だからこそ、持続可能な環境や社会をつくろうという思いが強いんです。エネルギー問題に加えて、食べ物を扱う者としては「食品残さ※2」の問題も絶対に許せません。そこで我々は、捨てられてしまった食べ物を有効活用するためにバイオガス発電※3の計画を進めています。

※2食品メーカーやスーパー、レストラン等の食品関連事業所から生じる食品ごみ。製造・調理過程に発生するものや賞味期限切れ商品、売れ残り、食べ残しなども含む。

※3食物の残りかすを原料にメタンガスを発生させ、その熱でタービンを回し発電をする仕組み

 

今野/バイオガス発電といえば、数年前、弊社が運営するイベント「仙台オクトーバーフェスト」の会場内で、地元大学の先生方の力をお借りして、バイオガス発電を使って淹れたコーヒーを来場した方々にふるまったんです。少しでも多くの方に関心を持っていただこうという目的での取組みでした。

 

益野社長/そうでしたか。今まで捨てられていた食べ物からエネルギーを作り、その過程で残ってしまう残さ物を液体肥料として地域の農地に活用する。こういった無駄のない「循環」を宮城の中に生み出していけたら理想的ですね。

 

「仙台オクトーバーフェスト」会場内の バイオガス発電を活用したエネルギーづくり(ユーメディア)

「仙台オクトーバーフェスト」会場内のバイオガス発電を活用したエネルギーづくり(ユーメディア)

 

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新しい挑戦

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Credit

Creative Director & Designer/ 田向 健一
Interviewer & Writer / 澤田 朱里

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