地域と、そこに暮らす人の未来を、どうすれば少しでも良くできるのか。
私たちユーメディアは、常にその問いと向き合いながら、地域と共創して事業を推進してきました。
環境問題も、決して「誰かが取り組むもの」ではなく、日々の暮らしや事業活動、そして私たち自身の取り組みの積み重ねによって、少しずつ守られ、形づくられていくものだと考えています。
だからこそ私たちは、環境を“伝えるテーマ”として扱うだけでなく、当事者として行動し、現場に関わり、そのプロセスごと発信していくことを大切にしています。
その実践の場の一つが、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」です。
宮城県は、2050年までに「二酸化炭素排出実質ゼロ」を目標に、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化の推進など温暖化対策に取り組む「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050戦略」を策定しました。目標達成に向け、県民、事業者、行政が幅広く連携し、地球温暖化対策を積極的に推進することを目的として設立されたのが、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」です。
弊社は本会議に企画委員として参加し、官民・企業・県民が立場を越えて意見を交わし、試行錯誤を重ねる現場に、運営の一員として関わっています。
この記事では、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」の「内側」で実際に何が話され、どんな課題感や可能性が共有されているのかを、同じ地域に暮らす一員、そして発信に携わる一員としてお伝えします!
今回、前編で取り上げるのは、私たちの暮らしを支える「物流」に焦点をあて、環境問題について考えてみます。近年、物流業界ではCO2や大気汚染原因物質の排出量削減など、環境負荷を低減する取り組みが求められています。物流における排出量削減として、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」の中の脱炭素ライフ推進部会には、「再配達防止プロジェクト」があります。さて、その「再配達防止プロジェクト」では何が話し合われているのか?
現場レポートとしてまとめています!
「環境問題」と聞くと自分ごととして感じにくいですが、実は、日常の行動一つひとつが確実に未来につながっている——。
そのリアルを、ぜひ記事を通して感じていただければと思います。
宮城県と「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」会員である大手配送3社が、運送の課題である「再配達」を防止するためのアクションを考える取り組みです。
===大手配送3社===
▶ ヤマト運輸株式会社様
ゼロカーボンへの取り組み:2050年温室効果ガス排出実質ゼロを掲げ、2万台規模のEV導入
▶ 佐川急便株式会社様
ゼロカーボンへの取り組み:2028年度末までに軽四輪EVを15,000台導入予定。バイオ燃料の活用も推進
▶ 日本郵便株式会社様
ゼロカーボンへの取り組み:2030年度のCO2削減目標に向け、EV導入や「台車・自転車」による配送を拡大などを実施
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1月に行われた打ち合わせでは、再配達防止を推進していくために、3社が共通テーマ「脱炭素社会実現」に向けて、本音を話し合う場としてミーティングが行われました。
ミーティングでは、現場のリアルな課題とその課題に対する改善施策(次回アクション)を話し合いました。
物流業界の動きとして、「2024年問題」というワードが飛び交っており、「2024年問題」というのは、2024年に施行された「働き方改革関連法」によって、時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制等の適用のことです。これにより、稼働時間が長いトラック事業の労働時間が制限され、一日に運ぶことができる荷物の量が減り、売上やドライバーの収入の減少による担い手不足などによる、「人材」に関する課題が3社から議題として上がっていました。
ヤマト運輸株式会社様
「とにかく担い手が足りない。若者の採用や育成に、県としてのバックアップが欲しい。近年は、女性の方でも働きやすい環境づくりとして、休憩室をパーテーションで区切るといった職場環境改善を社内で進めている。」
日本郵便様
「未経験者をプロに育てるには時間がかかる。業界全体で底上げするような研修を県と連携できないか。」
佐川急便様
「女性や外国籍の方などの育成に悩んでいる事業者さんの声を多く耳にする。宮城県から中小事業者をサポートできるパッケージがあると非常に喜ばれると思う。」
これらの話を受け、宮城県では、宮城県トラック協会との連携のもと、物流の課題をサポートするための多角的な支援を行えるよう、各社から挙げられたリアルな課題を踏まえて、現場のニーズに即した支援に取り組んでいくとのことです。
物流業界の負担を減らし、環境を守るために、宮城県では、令和7年度から「宮城県再配達防止モデル事業」をスタートします。
「1回で受け取ろう」を合言葉に、置き配バッグ・置き配ボックス導入支援(2万世帯目標)としてみやぎポイントの還元など、県民の皆様が参加しやすい仕組みを整えています。
会議では、再配達防止の啓発ポスター活用方法についても議論し、「ドライバーの負担は増やしたくない」という現場の声をくみ取り、今後のアイデアとして、不在票への工夫やメールでのアプローチ、再配達を多く依頼する大学生などの若年層へのアプローチなどが出ました。
日本郵便様では、置き配専用オリジナルバッグ「OITETTE(オイテッテ)」を展開しており、プロジェクトを通じて、学生をはじめ、若年層に再配達防止を伝えるとともに、「再配達をしなくても良い方法があるよ」という手段をも伝えていきたいと考えています。
「普段は集まることがない同業他社が、共通の課題に対して一堂に会する。それぞれの強みを活かし、解決へ向かえるのがこの場の魅力です(ヤマト運輸様)」
このプロジェクトは、単なる環境活動ではありません。地域のインフラを守り、働く人を守り、結果として脱炭素につながる。まさに「ひととちいきのミライをゆたかにする」アクションそのものです。
「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」は、地球温暖化対策を“考える場”にとどまらず、実際に行動し、試し、共有していくための場です。当社も企画委員として参加するなかで、会員同士の意見交換や情報共有から生まれる気づきや広がりの大きさを日々実感しています。
次回、後編では「今、私たちを取り巻く省エネ環境は?」をテーマに、「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」で行われたセミナーの様子をお届けします。
世界の変化を、宮城の視点で紐解きます。お楽しみに。
みやぎゼロカーボンチャレンジ2050公式サイトはこちら
https://zero-carbon2050.pref.miyagi.jp/