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地域の人と環境を健やかにするアクション 「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」 後編「今、私たちを取り巻く省エネ環境は?みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議セミナーレポート」

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はじめに

地域の人と環境を健やかに、そして「地域のミライをゆたかに」するための土台となる「環境」。 宮城県は、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050戦略」を掲げています。その達成に向けて、県民、事業者、行政が手を取り合う場が「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」です。
私たちユーメディアは、本会議の企画委員として運営に参画しています。
立場を越えて意見を交わし、試行錯誤を重ねる現場の熱量を、当事者の一員としてお届けしています。

前編はこちら:前編「宅配便が環境を変えるカギ?再配達防止プロジェクトを覗いてみよう」


2026年1月現在、私たちの生活や経営に直結するガソリン価格が、一時的に値下げの傾向を見せています。しかし、この変動の裏側には何があるのでしょうか?「再生可能エネルギーへの転換」と叫ばれる中、なぜ今もなお燃料動向に一喜一憂し、そして「省エネ」が叫ばれ続けるのか。

そこには、企業が変化の激しい時代を生き抜くための、驚くほど合理的なヒントが隠されていました。

後編は、1月27日に開催された「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050 県民会議セミナー 〜エネルギー価格の高騰と業界の最新動向〜」をレポート。エネルギーの「今」を知り、明日から会社を強くするための「省エネ経営」の最前線に迫ります。 

エネルギー価格から見える、私たちの暮らしの現在地

近年、高止まりしていた石油価格ですが、2026年1月現在は低下傾向にあります。
「最近、ガソリンが少し安くなった?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
その背景にある「エネルギーの今」を、一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センターの橋爪吉博さんに解説いただきました。

一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター 事務局長 橋爪さん

価格変動の裏側にある「税」と「補助金」

2025年末、ガソリン価格を抑制してきた「補助金」と、1リットル当たり25.1円を上乗せしていた「暫定税率」が終了しました。家計や企業の固定費が下がるのは喜ばしいことですが、課題もあります。例えば宮城県では、この税率廃止により年間約200億円以上の税収減が見込まれています。この「地域の財源不足」をどう補い、道路整備や公共サービスを維持していくか——
価格の低下は、私たちに新しい地域の課題を突きつけています。

 

「国際情勢」がエネルギー価格変動に影響する

ガソリン価格を決める最大の要因は、依然として「国際情勢」です。近年では、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年)、ハマスによるイスラエル侵攻(2023年)などの「地政学リスク」の高まりが、ダイレクトにガソリン価格などのエネルギー価格に影響します。今後は、アメリカとイランの関係動向が原油価格にどう影響するか注目すべきところ。

コロナ禍以降、世界情勢によって原油価格が変動している

 

エネルギーと私たちの暮らしはどこへ向かう?

「脱炭素」と「カーボンニュートラル」において、エネルギーの使い方と私たちの暮らしはどこへ向かうのでしょうか?

①石油は「なくなる」のではなく「形を変える」
非常用電源や航空燃料など、石油でなければならない用途は今後も残ります。2050年になっても現在の4分の1程度の需要は続くと予測されており、安定供給のための仕組み(サプライチェーン)は、未来も不可欠です。

②AI時代が電化需要を加速させる
車のEV化や家庭のオール電化に加え、今後はAIの急速な普及によって、膨大な電力が必要になります。太陽光やバイオマスといった「非化石エネルギー」へのシフトは、もはや待ったなしの状況です。

③キーワードは「技術が時代を変える」
「石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない」。 橋爪さんのこの言葉通り、人類は新しい技術(省エネ・創エネ)を手に入れることで、次の時代へ進みます。私たちは今、まさにそのアップデートの真っ只中にいるのです。

地域と環境のために、企業ができること

かつて、脱炭素は企業にとって「コスト(出費)」や「ボランティア(CSR)」と捉えられてきました。しかし今、そのフェーズは完全に変わりました。 脱炭素は、企業の成長を後押しする「投資」です。
「脱炭素経営」に取り組むメリットとステップについて、一般財団法人省エネルギーセンター 東北支部の小林さんに教えていただきました。

 

一般財団法人省エネルギーセンター 東北支部 小林さん

①脱炭素経営に取り組む「5つのメリット」

一般財団法人省エネルギーセンター東北支部の小林さんは、取り組む意義をこう強調します。

1.設備投資や生産プロセス改善などによるエネルギーコストの削減
2.自社の訴求力向上による競争力の強化
3.知名度や認知度の向上
4.資金調達において有利
5.社員のモチベーションや人材獲得力の強化

②迷ったら、宮城県が掲げる「3つのステップ」から

何から手をつければ良いか分からない企業に向けて、宮城県では、脱炭素経営を確実に進めるためのステップとして、以下の3段階を推奨しています。

1.「知る」:脱炭素の潮流を自分事として捉える
2.「測る」:自社のCO2排出量を算定し、どこに無駄があるか突き止める
3.「減らす」:具体的な削減計画を実行する

私たちユーメディアも、このステップに基づき、自社でできることとして、「カーボンニュートラルプリント」へ取り組んでいます。自社で手がける印刷物を通じてCO2削減を目指すこの活動は、まさにステップ③「減らす」への挑戦。私たちは情報発信を担う企業として、全社一丸となって脱炭素経営の具現化に取り組んでいます。 

経営の健康診断「省エネ最適化診断」の活用を

このステップをサポートするのが、「省エネ最適化診断」です。「エネルギー料金を削減したい」「どうやってCO2の排出量を計算したら良いかわからない」といった中小企業や病院・施設などの様々な悩みに対して、専門家が現場を診断し、省エネルギーセンターが行っている省エネ対策や再エネ導入などの具体的な提案を行います。

驚くべきことに、提案の約4割は「運用改善(お金をかけない工夫)」によるもの。例えば、年間売上高1億円の企業の場合、省エネで10%を削減することで、売上を600万円伸ばすことと同等の価値があります。このことから、省エネ最適化診断を経て、省エネをすることは自社の現状を理解するきっかけとなり、「脱炭素経営」は、企業が成長するチャンス、未来への投資とも言えるのです。

 

宮城県でも、令和8年度の補助事業(宮城二酸化炭素排出削減支援事業)において、この診断結果をベースにした設備導入を支援する予定です。企業にとっても「補助金があるから」ではなく、省エネ最適化診断を通じて「経営上のメリットを可視化すること」が、脱炭素経営推進の大きなカギとなりそうです。

後編まとめ

セミナー終了後には、会場では省エネルギーセンターの小林さんに早速相談をされる方や、参加企業同士で情報交換を行う様子も見られました。


前編・後編にわたってご紹介してきた「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」。
この場が、地域の人や企業にどのような変化をもたらし得るのか——
記事を通して、少しでも感じていただけていれば幸いです。

みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議に参加されている団体会員の方々をはじめ、県内には脱炭素社会実現に向けて真摯に取り組む企業が数多く存在します。私たちユーメディアは、これからも得意とするコミュニケーションデザインを通じて、この熱量を地域に広げていきたいと考えています。

「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」では、地球温暖化に関する取組の実行や会員同士の意見交換・情報交換を通じて、脱炭素社会の実現に向けて一緒にチャレンジいただける方を募集しています。

宮城県にお住まいの個人の方は個人会員に、県内に事務所又は事業所を有する団体・企業の方は団体会員になることができます。

あなたも、できることから始めてみませんか?

みやぎゼロカーボンチャレンジ2050公式サイトはこちら
https://zero-carbon2050.pref.miyagi.jp/

 

 

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