【「知性と感性の交差」が生み出すもの①】ウェットラボとの新結合(後編:入居企業インタビュー)

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当社の旧印刷工場をリノベーションして生まれた新たな創造の拠点「Communication Design Laboratory MEDIUM(メディウム)」(以下 MEDIUM)。そこで知性と感性が交差したとき、知と学びの渦は、仙台・地域の未来に何を生み出すのか。「産業」「イノベーション」「好奇心・学び」という3つのキーワードをもとに3回シリーズで紐解いていきます。


第1回は、MEDIUMに整備した「ウェットラボ」という研究開発施設を取り上げます。本プロジェクトは、仙台市の推進する「リサーチコンプレックス」の形成の一翼を担うために整備し、仙台市でのウェットラボ整備の先導的モデル創出事業の第一弾となりました。

本記事は、前後編の記事となっております。
前編では、3月下旬に行われた「MEDIUMウェットラボプロジェクト発表会」をレポートし、仙台市が描く展望と、なぜ旧印刷工場をウェットラボとして整備したのか、当社がウェットラボを整備することによって起こる化学反応をお伝えしています。(https://www.u-media.jp/media/magazine/a547
後編では、発表会後、プロジェクト発表会でプレゼンテーションをしていただいた入居企業2社に、事業の概要や背景、また入居を決めた理由をインタビューにて深掘りさせていただきました。

入居企業2社がMEDIUMのウェットラボを選んだ理由


ストーリーライン株式会社 取締役/COO 安藤 真晴 様

―ストーリーライン様について教えてください。

当社は東北大学発ベンチャーとして、特定の成分を選択的に抽出するという技術を使って、コーヒーの美味しさはそのままに、カフェインのみを選択的に取り除くカフェインレスコーヒー豆を販売しています。この事業の起点となるのは、実はコーヒーではなく、貧困に苦しむ生産地および生産者に、高付加価値化に必要な“技術”を持ち込めないかと考え始めたことでした。これはボランティアではなく、構造的にビジネス上で彼らが利益を上げやすくなることを描いています。そこで、現地でも市場が大きいコーヒー、かつ国内外のカフェインレス市場の急成長を背景に「カフェインを選択的に抜く技術」を現地に持ち込むという選択に辿り着きました。
カフェインレスコーヒーはすでに流通はしていますが、なかなか美味しくならない。当社の技術の特徴は、香味成分は残してカフェインのみを選択的に抜くことです。現在は、美味しいカフェインレスコーヒーを多くの方に届け、供給量を増やし、それにより現地にこの技術(装置)を持っていく理由がどんどん大きくなっていくというストーリーをイメージしています。

―ここのウェットラボに入居してくださった経緯、また決め手となった理由を教えていただけますか?

当社は、はじめ超臨界流体分野のパイオニアと言われる東北大学と連携、T-Bizに入居し研究開発を進めました。この先の商業化を目指し、研究成果をさらにあげていくためには、設備を大きくしていくことが必要となり、当時の部屋の約2~3倍大きい部屋の確保が必要でした。できればこれからも東北大とは密にコミュニケーションを取りたかったので、仙台に移転を決めました。
そんな中、MEDIUMのウェットラボを仙台市から紹介され見学に来させていただきました。その際に、御社が印刷工場を持っていて、印刷・プロダクトを開発できることも知りました。この時点でまず協業のイメージが湧きましたね。というのも、コーヒー豆を販売する時には、梱包やメッセージカードなどがお客様との重要なコミュニケーションツールとなりますし、発信も同時に必要になります。
もうひとつ、決め手となったことがあります。それは、他者とのシナジーが起こる期待を感じられたことです。MEDIUMの共創スペースでの交流が実際に生まれていますし、御社がハブになることでネットワーク形成がしやすくなることも期待しています。
※T-Bizは、中小機構が、宮城県、仙台市及び東北大学と連携して運営する、インキュベーション(起業家育成)施設です。

アルフレッド株式会社 仙台ラボ マネージャー 山田 凌 様

―アルフレッド様について教えてください。

アスベストの分析サービスを行っており、ラボは浜松に2つ、福岡に1つ、そしてここ仙台です。仙台にラボができたことで、お客様が直面するアスベスト問題に、これまで以上にスピーディかつ確実にお応えすることができるようになりました。具体的な例をあげると、建物に使用されている建材のどの層に、どのくらいの量の、どんな種類のアスベストが使われているのかを分析して報告書をご提出しています。当社は、社会課題の解決に向けて、宇宙的視野を持って3つのフェーズに分けてビジョンを描いています。その最初のステップが、現在の事業で、テクノロジー活用の積み上げを行っている段階です。ありがたいことに、当社はアスベスト分析の業界シェアナンバーワンということで現在も様々なお仕事をさせていただいています。第1フェーズで目指すゴールは、アジアのアスベスト被害を減らすことです。当社の経営理念の原点には、代表の三井が東日本大震災の時に、原発事故による放射線の影響を調査していた福島県での経験から、当たり前に健康で暮らすことができる日常をテクノロジーを使って実現していきたいという強い想いがあります。

―ここのウェットラボに入居してくださった経緯、また決め手となった理由を教えていただけますか?

MEDIUMのコンセプトに共感をしました。MEDIUMの共創スペースの活用により、他者とのシナジーを起こそうとしていることに期待をしています。スタートアップ企業同士が集う場ということで互いに刺激を与え合えるよう、廊下ですれ違う時の会話なども積極的に行っていきたいと思っています。
また、東北大学と産学連携をしている実績も当社にとっては魅力的でしたね。当社の仙台拠点でも、学術機関と連携し、AIを活用したアスベストの画像診断に関する研究およびデータ取得を実施しています。
当社はこれからラボ見学の受入れにも力を入れていきます。PRだけではなく、分析の透明性を感じてもらうことも目的です。さらに、アスベストの分析依頼を受ける際には、ここウェットラボに持ち込まれることが多いんです。ラボ見学にお越しいただいた方や、調査依頼をしてくださった方と、共創スペースで、ストーリーライン様のコーヒー片手にコミュニケーションをとる、といった事もしたいですね。

さいごに.MEDIUMとウェットラボの「新結合」が生む広がり

旧印刷工場をリノベーションした創造と共創の拠点「MEDIUM」は、大きく分けると「共創スペース」「ウェットラボ」、そして祖業からの印刷の系譜を継ぐ「ゼロカーボンエネルギー工場」の3つで構成されています。
「共創スペース」については、シリーズ第2回で深堀りしていきますが、「ウェットラボ」に入居する企業と掛け合わさることで、研究室の中だけでは生まれなかった「新結合」を起こしたいと考えています。

ここは単なる共有スペースではなく、多様なアイデアを持つ人々が集まり、会社や地域に掛け算を起こせるような「対話」を促進する仕掛けや思想が反映された設計となっています。入居企業同士や外部専門家との異業種連携、産学官ネットワークの形成を支援し、入居者同士の交流にとどまらないオープンイノベーションを促進します。
また、入居された企業様は、事業成長の過程でプロモーションやブランディングの支援を必要としていました。当社が強みを活かした支援や相乗効果を生み出してまいります。

現在入居しているストーリーライン株式会社様とアルフレッド株式会社様のように、仙台を事業拠点として選び、進出する企業を増やすために、希少性のある民間ラボを整備することで、産業の集積地としての役割を果たせると確信できました。

共創スペースで交差する知性と感性。入居される皆様の「サイエンス・テクノロジー」と異分野の知を媒介する役割が「MEDIUM」です。

地域の製造業を支えた旧工場を「未来を創る場」へと転換。仙台市の「リサーチコンプレックス」形成の一翼を担います。研究開発施設「ウェットラボ」と、創造の起点「MEDIUM」が交差することで、産業が生まれる。仙台から宮城・東北、そして世界に向け、オープンイノベーションを促進していきます。


前編では、3月下旬に行われた「MEDIUMウェットラボプロジェクト発表会」をレポートし、仙台市が描く展望と、なぜ旧印刷工場をウェットラボとして整備したのか、当社がウェットラボを整備することによって起こる化学反応をお伝えしています。
https://www.u-media.jp/media/magazine/a547


ウェットラボのご入居に関するご相談は、周りの当社社員、MEDIUMのホームページにてお問い合わせください。
【お問合せフォーム】https://mediumlab.jp/contact/(外部リンク:MEDIUM公式サイト)

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