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大学生×地域×企業の挑戦。荒町で生まれた対話と実践のラウンドテーブル。

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2025年4月、仙台市若林区にある荒町商店街の飲食店マップ『あらメシ』が完成しました。制作の中心となったのは、「荒町のミライチズを描こうプロジェクト」のメンバーである、東北学院大学の学生と荒町商店街振興組合の方々。
このプロジェクトでは、現在進行形で荒町に根付く新たな踊りを創り出す活動も行っています。

東北学院大学に通う学生にとって、大学が在る「荒町」エリアを、自分たちの地域として捉え、見方を変えて関わることで、大学生活がより豊かになるのでは?

大学・地域・企業など、近所の者同士が、自分たちが通う「荒町」をより良くするために立場を越えて協働することで、人も地域もより豊かになっていくのでは?

こうした思いから、2024年5月に東北学院大学、荒町商店街振興組合、当社が協働で「TAUラウンドテーブル」を立ち上げ、東北学院大学の学生とともに荒町をフィールドとした「荒町のミライチズを描こうプロジェクト」に取り組んでまいりました。

この記事を通して、プロジェクトが始動した初年度1年間の活動を発信し、プロジェクトメンバーの一人ひとりの声を届けることで、記事を読んでくださるみなさんと、地域連携(まちづくり)について考えていけたらと思います。

インタビューに協力してくださったプロジェクトメンバー

東北学院大学
・情報学部データサイエンス学科 2年(2024年度)Nさん
・地域総合学部政策デザイン学科 2年(2024年度)Sさん
荒町商店街振興組合
・理事長 伊藤 善子さん
・副理事長 庄子 康一さん
(株)ユーメディア
・地域ブランディング事業部 CS2チーム 武田 国大
・メディアクリエイション部 プランニングチーム 森 健



目次

荒町のミライチズを描こうプロジェクトについて

<インタビュー>
・「いまある良さを守る」Aグループと、「まだない新常識をつくる」Bグループ
・荒町の町長になったつもりで荒町の未来を考えよう
・商店街と学生をつなぐ『あらメシ』マップのご紹介!
・荒町の「伝統」と「新しさ」が融合するダンスを制作中!
・次年度以降につながるプロジェクトの価値とは
おわりに



荒町のミライチズを描こうプロジェクトについて

2023年4月に東北学院大学が五橋キャンパスを荒町エリアに開学したことを機に、同じ荒町エリアに拠点を置くご近所の東北学院大学・荒町商店街振興組合・当社で構想・対話を重ね、2024年5月にプロジェクトをスタート。荒町商店街が2018年より実施していた「荒町100年プロジェクト」に着想を得て、“荒町らしさ”を100年後の未来まで残す活動を行っています。活動を通じて、地域の未来を共創する地域連携の土台を築いていきます。

TAUラウンドテーブル(左)と、荒町のミライチズを描こうプロジェクトのイメージ(右)


特徴は、学生と地域の人が対話とアクションを繰り返すそのプロセスを大事にしていること。また、学生・大学・企業・地域団体・地域住民等、多様な主体を増やし、活動(記録)を次年度へと引き継ぐサイクルをつくることで、持続的なプロジェクトを目指しています。

2024年度はA・Bの2つのグループに分かれて企画を進行してきました。Aグループが東北学院大生向け荒町商店街飲食店マップづくり(こちらは今回完成)、 Bグループが荒町ニューダンスプロジェクトを担当。Bグループは、地域の方や学生と「荒町の歴史を身体で体感できる新しい踊り」をつくり、2025年8月の毘沙門天王祭で披露することを目指して現在も取り組みを進めています。

ラウンドテーブルの様子。
学生と東北学院大学、荒町商店街、当社のメンバーが交じり、ひとつのテーブルを囲み、フラットなコミュニケーションが交わされている。

 

<インタビュー>

「いまある良さを守る」Aグループと、「まだない新常識をつくる」Bグループ

Q.テーマ設定の背景を教えてください。

(武田)
Aグループのテーマは「いまある良さを守る」です。
2023年4月に五橋キャンパスが開学し、荒町商店街も学生でにぎわうことを期待していましたが、学生が思ったより来てくれないという現状がありました。一方、東北学院大学の学生は荒町商店街のことをよく知らないので行きにくいという声が。そのため、マップのターゲットは、荒町商店街のことを知らない東北学院大学の学生に絞り、「荒町商店街を学生にとって身近な存在にする」ということをコンセプトに制作をすることになりました。「身近な」という言葉には、実際にまち歩きをして感じた荒町らしさ=商店街の人々の温かさ」を伝え、心の距離が近づくマップでありたいという願いも込められています。また、WEB形式だと、情報を取りに行く必要があり、荒町商店街に興味があることが前提になることから、紙形式で配布することを考えて制作しました。

荒町商店街まち歩きの様子。
写真の場面では、「てづくり弁当・惣菜 みつわ家」さんよりお店の紹介・商店街での歴史・商店街の特徴などを教えていただきました。

 

(森)
Bグループ
のテーマは「まだない新常識をつくる」です。
荒町をまち歩きする中でBグループの学生が目をつけたのは「荒町の閉鎖感」。この町の人やお店を知る前は、「学生の自分たちには入りづらい雰囲気の場所だ」という認識があったようです。ただ、実際にお店に入って町の人と話してみると、全然そんなことはなかった。「むしろみんな温かく、個性的で面白い人が集まる町じゃん!」という点が驚きだったと言います。

どうしたらこの見かけ上の閉鎖感を解消できるのか。まずはたくさんのアイデアを出したのですが(商店街を歩行者天国にする/学内外で学祭をする/子どもから学生、大人までみんなで大運動会/みんなで盆踊り等々…)、特に面白かったのはある学生メンバーの原体験。秋田出身のそのメンバーは小さい頃、地元に「ドンパン踊り」という踊りが根付いていて、夏祭りにはそれを町中のみんなで踊っていたそうで、大人になった今でも夏祭りの日はドンパン踊りのために地元へ帰省するとのこと。

老若男女が踊れて、その場では友達も知らない人も関係なくみんなが一体になって熱狂する。

もしもそんな踊りが荒町にも生み出せたなら。親しみやすくて個性的なイメージへ変わっていくのでは。こんな発想から、荒町らしさを歌と踊りで表現したニューダンス」をつくろうというプロジェクトが始まりました。

プロジェクトは「なにをつくるか?」「なにを成し遂げるか?」という発想から始まるのが一般的ですが、「なにを壊すか?」「変えるべき常識はなにか?」からスタートしたのが面白い点だと感じています。結果的に、その出発点が「踊りをつくる」というユニークなアイデアにつながりました。

 

荒町の町長になったつもりで荒町の未来を考えよう

Q.❶参加理由➋おもしろかったことや悩んだこと❸学び得たことや成長した点 を教えてください。

商店街と学生をつなぐ『あらメシ』マップのご紹介!

<配布場所>
 ○五橋キャンパス ▶︎ シュネーダー記念館(1階)未来の扉センター内
 ○土樋キャンパス ▶︎ 8号館(2階)ロビー、学生課前のカウンター

 

Q.マップのこだわりポイントを教えてください!

(学生Nさん)
荒町を歩く楽しさが伝わるようなマップであることを大切にしました!荒町に足を運ぶきっかけとなって、少しずつ気軽に荒町を訪れるようになり、商店街でマップを拡げる姿が見られるようになる、そんな風景が生まれると嬉しいです!

(善子さん)
若い方が見てお店に行きたくなるような構成にしてもらいました。マップを見て、商店街を歩いていただき、多くのお店を利用していただきたいです。

(武田)
商店街から学生へのおもてなし感が伝わるマップになっています。

 

東北学院大学の地域連携センターのHPでも紹介されています!

荒町商店街振興組合とユーメディアグループとの連携事業で制作した【美味しくてお財布に優しい。そんな願いを叶える〜あらメシ〜】配布中

(外部リンク:東北学院大学 地域連携センターHP

 

荒町の「伝統」と「新しさ」が融合するダンスを制作中!

Q.ダンスのこだわりポイントを教えてください!

(学生Sさん)
子どもからお年寄りまで楽しんで踊れるものにしたいと考えています!また、曲の歌詞やダンスの中に、皆に伝えたい荒町の良いところや歴史・伝統を取り入れて、荒町らしさ満載「ニューダンス」にしていきます。具体的には、荒町商店街の魅力を歌詞に入れたり、荒町の特産品である『回文団扇』をイメージした振り付けを取り入れる予定です。

(庄子さん)
町の歴史や魅力、地域愛(温かさや誇り)、未来へ継なぐ思いがつまった「ニューダンス」になる予定です。

(森)
伝統新しさを融合したいと考えています。「伝統」という点では、音楽の一部に荒町小学校の校歌をオマージュしたり、ダンスの振り付けは荒町の特産である麹から着想を得たり。「新しさ」という点では、音楽は東北学院大学軽音部さんと協働で制作して、学生ならではの今らしさも感じるサウンドやノリに仕上げたいと思っています。

Q.ダンスの未来像を教えてください!

(学生Sさん)
「ニューダンス」の名称が「荒町パチパチオンド」に決まりました。私たちがつくった「荒町パチパチオンド」というダンスが荒町の新しい伝統となり、荒町という地域を盛り上げていくためのきっかけになればいいなと考えています。地域の人だけでなく、大学に通う学生の皆さんにもダンスの存在を知ってもらい、「パチパチオンドを踊るために荒町のお祭りに行こう!」と思ってもらえるようなダンスになってほしいです。また、地域の人たちに踊りを伝えていくことで、「荒町パチパチオンドを広めていく過程も地域交流として使われるようになるといいなと思っています。

(庄子さん)
今回色々な方の力をお借りして完成した荒町のニューダンスを、毘沙門天王祭に集まった皆さんで心の温もりを感じながら楽しく踊って、出会いが広がったら嬉しいです。「100年後も子どもから高齢者までご縁と繋がりを大切にする荒町が続いて欲しい」という願いが込められた「ニューダンス」プロジェクトが荒町の温かさ、楽しさ、誇りを伝えるダンスとなり、語り継がれる日を楽しみにしています。

(森)
まずは8月の毘沙門天王祭でお披露目することが短期的な目標ですが、それが毎年の恒例になり、大人も子供も大学生も、みんなが踊れる踊りになって荒町のイメージが「あの踊りの町だよね」と変わっていくと嬉しいです。なんなら東北6大祭りに毘沙門天王祭が加わって7大祭りになるくらいの広がりを出せたら面白いなと思います。

2024年8月の毘沙門天王祭で、プロジェクトの紹介と、マップとダンスつくります!宣言をさせていただきました。

 

次年度以降につながるプロジェクトの価値とは

Q.このプロジェクトだからこそできること・ご自身の役割だと捉えていることを教えてください。

(庄子さん)
私の役割は、まち歩きやラウンドテーブルに参加してくれた学生と対話を通じて荒町地域と荒町商店街の魅力や活動を伝えること、「荒町って面白そう!」「荒町をもっと応援したい!」「荒町が第二の故郷」そう感じてもらえるように関わることだと考えています。
そのためには、商店街の困りごとを学生の協力を得て解決することだけではなく、学生の困りごとにも耳を傾けて、商店街や地域の人も一緒に解決したり、そういった小さなアクションを対話の中から生んでいければ、荒町を身近に感じてもらえるようになると思います。

次年度に向けても、東北学院大学・荒町商店街振興組合・(株)ユーメディアが先導し、学生や地域住民とフラットな立場で対話を重ねていきます。対話によって見えてきた身近な課題やこれからのあるべき姿(新たな発想、転換)に対して、学生の発想も取り入れながら、地域の主体者それぞれの強みを活かしてアクションを起こしミライチズを一年一年積み重ねていきます。

(善子さん)
学生さんと地域の方とのハブのような役割だと思います。学生さんの考えを聞きながら、商店街の現状をお伝えしたり、一方で、地域や町内の方の話を聞く側でもあります。

次年度の活動は、町内会はじめ地域住民の方にもお声がけをする予定です。地域住民のご意見は、商売をしている私達とは違うので、学生さんにとっても、商店街サイドにしても新鮮で、新しいモノがみえてくると思います。学生さんの考えだけではない、商店街、地域、町内会の人の考えを聞いた上でアクションできる点がポイントですよね。

(森)
メンバーも、地域も、大学も、プロジェクトを知らない人でさえも、思わず惹き込まれてしまう「コンセプトづくり」に関われたら嬉しいです。
今回のプロジェクトもそうですが、初期にいかに周りを巻き込んでいくような熱量を生み出せるかが、プロジェクトの完走に大きく関わるように感じます。

地域の人たちと近い距離で会話し、アイデアを実現までやり切るところがTAUラウンドテーブルならではのポイントだと感じています。学生がフレッシュな視点で着想し、ユーメディアが発想を広げて、荒町の皆さんが実現に協力してくれる。座学で終わるのではなく、外に出て対話をしたり、実践の機会があるというのは講義でもサークルでも得られない貴重な経験になると思います。

 

おわりに

2025年度の活動に向けて絶賛準備中!新規参画メンバーも募集予定です!

2025年度も荒町商店街を知るための「まち歩き」からスタート。今年の「まち歩き」は、2024年度の活動で完成した『あらメシ』MAPを手に商店街を巡りました。

 

2025年度も、大きく2つのテーマでプロジェクトを進行予定です。プロジェクトの進捗は、当社が関わっている若者と共創する地域デザインプロジェクトを紹介していく公式インスタグラム「project blUe」で発信をしてまいります。募集がスタートした場合にも告知いたします。こちらもぜひご覧ください。

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