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U-MEDIA MAGAZINE

「おもいをカタチに、みんなをゲンキに」する新工場完成!

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仙台市若林区六丁の目・印刷工業団地にあるユーメディア印刷センター。1966年にこの地に建設されてから52年目を迎えた本年、立地を向かいに移し新築移転しました。

この新築にあたり、内装や造作物を考える「新生産拠点ワーキンググループ」を社内で発足。この場所の今後の在り方を見据えながら、建築・施工業者とユーメディア社員がデザインを一緒に創り上げる形をとりました。

【取材対象者】

新生産拠点ワーキンググループ 印刷製造部メンバー

安部 秀樹(執行役員 印刷製造部 部長)

阿邊 悟(納品発送チーム 製品グループ 主任)

井上 雄介(印刷チーム 印刷1グループ 主任)

栗本 千穂(デジタルプレスチーム 主任)
 
【聞き手】
岩本 理恵(クリエイティブチーム/新生産拠点ワーキンググループメンバー)

 

 

―まず、今回のワーキンググループ(以下、WG)のメンバーに選出されたときに皆さんどう思ったか、約1年前のことを思い出していただきたいのですが。

阿邊/最初は、WGが何をする場なのか、探り探りな感じでした。参加しながら理解していった感じです。ほかのメンバーが優秀な方ばかりなので、進めていくうちにやっとイメージが湧くようになりました。

井上/私も、まず不安がありました。「内装を考える」という話でしたが、経験がないし、自分にはデザインセンスもないので、どこまで関わっていけるかなと。

栗本/私も一大プロジェクトというプレッシャーがありましたけど、女性目線で気づいた部分を伝えられたらいいのかなと。

―安部部長は、はじめ経営陣からどのような話があったのですか?デザインに興味がありそうな人を集めてほしいとか?

安部/いや、デザイン面でというよりも「若手を」ということだったので、女性視点も必要と思い、栗本さんを入れたこの3人がパッと浮かんで。建物って、これから使っていく若い世代の人たちが主役のものでしょう。だから我々の年代が考えてはダメだと。それは取締役とも話して、今回は若い感性に任せようということでWGのメンバーが選出されたんですよ。親会・子会と2つのチームがあったけど、子会のメンバーは特に若手をと。

 

―印刷センターの方々と営業センターのメンバーが一緒になってこれほど大きなプロジェクトをやったのは、今までにないことですよね。

 安部/そうだね。他部門と密にコミュニケーションができたのは楽しかったね。

 

―WGの回を追うごとに、ディスカッションの楽しさが増していきましたよね。

 安部/私は最初から楽しかったけどね!

 

一同/笑

 ―でも、やっぱり皆さん、最初は不安だったんですね。

阿邊/最初の頃は親会・子会での集まりがはっきり分かれていたし、親会で決定したものが子会に下りてくるような図式だったので。 

井上/何がどう決まったか見えない状況もありましたね。

栗本/子会だから決定権はないと思っていたけど、でも意見はなるべく言おうと思っていました。

 

―そんなふうにWGが進行していき、新工場のカタチが少しずつ見えてきた中で、どんな理想像を抱くようになりましたか?

 阿邊/話し合いで決まったことにはみんなの思いが詰まっているので、それが伝わるように使っていきたいと思うようになりました。クリエイティブの方々が考えたことを我々工場のメンバーがしっかり活かせるように、使い勝手だけを重視してモノを置いたりしないようにしたいなと。

 井上/デザイン面は、当然、クリエイティブに任せたいと思っていました。なので、私たちは、それを実務レベルでどう使うか、ずっと使っていくときにどうかを考えようと。WGメンバー以外の人たちからも、たとえば掃除のしやすさや動きやすさの観点から「こうしたらいいんじゃないか」などの声が聞こえるときはあったんですね。なので、それもなるべく反映できるようにとは思いましたね。

栗本/私は当初、営業センターのメンバーとこちら側で「ここをどう使いたいか」という話がかみ合っていないと感じていて。そのすり合わせに時間を要した感じがありました。新工場は見学も視野に入れていますし、もちろん新たな拠点としてユーメディアの事業全体を発信する必要はあるのですが、工場として生産もしやすく、ということも大前提ではあるので。

 

―実は私たち営業センターのメンバーも、工場の動きの細部を掴めていなくて、デザインでどこまで踏み込んでいいものか迷いがありました。安部部長もそのズレを感じていましたか?

 安部/私はその視点の違いをプラスに捉えていましたよ。営業センターメンバーのアイデアを取り入れたら「ザ・工場」という考え方から脱却できるという期待もあったしね。だから、良い意味で、クリエイティブな考えに寄ろうとも思わなかったし、こちらの考えを誇示しようとも思っていなかった。我々にはない感性での話がどんどん出てほしいと思っていたから。1階のエントランスのつくり方なんて、我々では絶対出てこないもの。

井上/出ないですよね。

安部/ああいう造作ができたことで、お客様からも「新しいね」「いいね」って新鮮に思ってもらえるからね。

 

 

―そんなふうに互いの意見をすり合わせながら完成に近づいていくわけですが、完成までの道のりで一番印象深いエピソードは何でしたか?

 阿邊/私は、体験コンテンツの打合せですね。お客様を楽しませるアイデアをお互いに出し合って議論するというのが、工場で働いている中ではあまりないことだったので。最初にやった「妄想ミーティング」(※マニアックな趣味を持つ3人だけでこじんまり開催)、あれが一番楽しかったですね。

 

―あれは楽しかったですね(笑)。あのときから、私の悟さんの見方が変わりました。

 安部/なに?(笑)どう変わったの?

―悟さんは控えめなタイプかと思っていたんですけど、すごくたくさんのアイデアを持ってきてくれて。工場内でもいろんな方に、どんな仕様なら実現可能かを聞いてくださっていましたよね。

阿邊/おもに栗本さんに、ですけど(笑)。栗本さん、資料をいっぱい持ってるんで。

栗本/提供しました(笑)。

阿邊/そうやってみんなでアイデアを出したことが、夢メッセでの「夏休み2018宿題・自由研究大作戦」に出展した際の体験メニューに派生していったじゃないですか。あれは本当に手ごたえがありました。あんなふうに、印刷という仕事を通じて子どもたちと触れ合う機会が今までなかったですし。子どもたちを楽しませるというよりも、自分たちが楽しんでいたという感じがありました。
 

―それはありましたね。ちなみに、夢メッセでの手ごたえというのは、普段やっている「印刷」という仕事が子どもたちにあんなに興味をもってもらえるんだ、という意味での手ごたえですか?

阿邊/そうです。たとえば製本体験とか、CMYKの解説とか、子どもたちにはこんなに新鮮に映るんだと。親御さんもとても興味をもってくれたので。子ども向けのイベントでしたが、大人にも通じる楽しさになっていて良かったなと。

―ほんとですね。新工場で体験コンテンツを行う自信にもなりましたよね。井上さんの一番の思い出は? 

井上/私はカーペットをみんなで決めたときですね。

 

―カーペット!

井上/みんなで、小さな四角いサンプルを並べて踏んでみたりしながら決めたじゃないですか。床ってけっこう面積もあるし重要なものなのに、こんなにアナログに決めるんだと思っておもしろかったです。

安部/あのときに決めないともう間に合わないというのもあったしね(笑)。

井上/それに、あのときが唯一、自分の意見をちゃんと言えたなぁというのもあって。

 

―ちなみに、井上さんなりにカーペットでいちばんこだわったのは何ですか?

井上/踏み心地ですかね(笑)。

栗本/私は、ネーミングを決めるときが印象深いかなぁ。みんなで案を出し合って、第2案まで出したのに、結局は二期工事まで持ち越しになった。建屋だけじゃなくエリア名もという話も出て、今回の拠点づくりは簡単なことじゃないんだなと感じましたね。あとは、ディレクターという役割の人の仕事が見えたのも新鮮でした。あらためてクリエイティブ担当の方たちはすごいなと。普段は会社の飲み会でお会いして、陽気な姿しか見ていなかったので(笑)。

 

―たしかに(笑)。WGを通じてお互いの仕事ぶりをしっかり見られた機会でもありますよね。安部部長はいかがですか?今回は、営業センター側でも、若手たちがそれぞれ業務も抱えながら一生懸命取り組んでいましたが、ああいった若手たちの頑張りも期待以上だったのでは。

 安部/もちろん!だからね、みんなが一生懸命考えたアイデアをできるだけ全部叶えてやりたいなと思いながら見守っていた。もう、親心だね。私としては、2013年に初めて新工場構想の話が挙がってからやっとの始動だったんですよ。5年越しの。だから、こんな大きなプロジェクトにみんなが一生懸命取り組んでくれているのを見て、本当にほめてあげたいと思うね。

 

 

―そんな様々なエピソードを経て新工場が完成しましたけれども、今あらためて、ここをどんな場にしていきたいと思いますか?

 阿邊/「ユーメディア」っていう社名を聞いて何をしているかわかる人って、まだごく一部だと思うんですよ。でもこれから、ここがユーメディアを知ってもらうきっかけの場所になればいいなと思います。見学者にもたくさん来てもらって、注目してもらえたらなって。

井上/9月に内覧会があって様々なお客様がいらっしゃったのですが、設備のことや働き方のことなどいろいろな質問が上がりました。そんなふうに各方面から興味をもっていただいている光景を見て、あらためて、一歩先を目指している会社だと実感しました。今は印刷業という枠の中ですが、今後は印刷業務だけでなく「地域」というキーワードがありますので、地域を引っ張っていけるようになれたらなと。ベースは完成しましたから、ここで何ができるかの中身をしっかり考えていかないと、と思っていますね。

栗本/私はもともと、「印刷をもっと一般の方たちの近くにもっていきたい」という思いがありました。新工場は見学ありきという考え方でできていますから、目指していたことができるようになるのかなという楽しみがありますね。そういうコミュニケーションの中から、ユーメディアがどういう会社かを発信していけたら。

安部/弊社は“コミュニケーション支援企業”って掲げているんでね、それに向かって「単なる印刷工場じゃない」というスタンスでしっかりアピールしていきたいですね。あとは、建屋もきれいになったし、ユニフォームも新しくなったので、印刷センターの社員としてもあらためて「情報発信業務に携わっている」という誇りを持ちながら、夢を持って業務に取り組んでいきたい。これから二期工事が始まりエリアとして完成するので、地域の皆さんにも“おもてなし”をしっかりやっていけるようになりたいですね。

 

オリジナルで作成した書体と、はんこ風に漢字一文字で示したデザインはこれまでの工場のイメージを一新しています(安部

事務室の中央にあるスタンディングテーブルが新鮮です。周りを囲むようにデスクがあるので、自然と話の内容も共有できます(阿邊

1か所だけキミドリ色にした壁がよいアクセントに。明るく爽やかな雰囲気を醸し出していて素敵です(栗本

1階エントランスに設置した棚に沿革を掲げているのも新鮮です。ロゴや沿革の一部はライトアップ仕様になっています(井上

1階の社名プレートは稲井石(いないいし/別名:仙台石)で作られています。周りに配した木は宮城県産杉。“仙台・宮城とともに”のコンセプトを表現しています(安部

Credit

Director&Writer / 岩本 理恵
Design / 中田 央之

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